不服審判所が「隠ぺい又は仮装はない」と判断

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不服審判所が「隠ぺい又は仮装はない」と判断

提供:エヌピー通信社

 

国税不服審判所が平成26年1~3月分の裁決事例をホームページで公表しました。

公表された裁決は、国税通則法関係2、所得税法関係5、消費税法関係1、国税徴収法関係2の合計10事例です。

国税通則法関係では、雑収入の計上漏れによる重加算税処分を受けた会社が、それを不服として訴えた事例が紹介されています。

冷凍食料品の販売業を営んでいるA社は、社員が発生させた「事業上の損失」の補填のための弁償金として同社員から受けた30万円について、返金しないこととしていました。

別の年にも会社への貸付金のうち120万円を弁償金として受け取っています。

ここでいう「事業上の損失」とは、稟議違反と営業不振によるもの。

これらをA社は雑収入として計上していませんでした。

また、雑収入発生の事実を裏付ける資料を関与税理士に提示せず、代表者の机の引き出し内に管理していたそうです。

税務当局は、雑収入の計上漏れがあるとして、更正処分を決定。

過少申告加算税と重加算税を課しました。

争点は「隠ぺい又は仮装」の事実の有無。

A社の計上漏れが隠ぺいによるものであれば重い重加算税が掛けられます。

これに対して審判所は、机の引き出し内に管理されていた事実だけで雑収入発生を「隠ぺい」したと認めることはできないと判断。

また、故意に帳簿書類に記録せずに「隠ぺい」したと見受けられる証拠はなく、そもそもA社が収益の実現の認識を持っていなかったと認められることから、「隠ぺい又は仮装」の行為はないと断じました。

A社の計上漏れを「単なる過少申告に該当」するとして、税務当局は処分を取り消すべきと判断しています。

 

<情報提供:エヌピー通信社>